小学校英会話の必要性
〜説得するための教師の最低知識〜
TOSS岡山サークルMAK 吉田 真弓
小学校英会話の導入が急がれている。国の方針は決まっている。
今だに小学校英会話の導入に反対する派も多くあることは事実である。
教師がしっかりした理論を持っておくことが大切である。
以下の資料は,反対派を黙らせる,理論的な裏付けである。
1 文部科学省の方針
(1)学習指導要領の記述
第1章 総則 第3 総合的な学習の時間の取扱い
5の(3)
国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等を行うときは,学校の実態に応じ,児童が外国語に触れたり,外国の生活や文化などに慣れ親しんだりするなど小学校段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすること。
▼学習指導要領は,法的拘束力がある。つまり「やらねばならぬ」文書である。
法的文書は一字たりとも無駄な文字はない。
「国際理解に関する学習の一環として外国語会話等を行うときは」ならば,外国語会話等をしなくてもよい。
しかし,記述は「学習の一環としての外国語会話等」であるから,「外国語会話等」は行わなくてはならない,というのが法的な解釈である。
細かいことであるが,これは事実である。
(2)ケルンサミットにおける総理大臣発言
平成11年6月18日〜20日,ドイツのケルンで行われた主要国首脳会議(ケルンサミット)において,サミット史上初めて教育が主要テーマの一つとして取り上げられ,20日の会議終了後に行われた内外記者会見において,小渕総理から以下の発言があった。
「・・・・教育は今次サミットの主要テーマの一つでありましたが,私はグローバル化時代に求められる「読み書きそろばん」として,外国語とコンピューター教育が必要であること,・・・・
」
▼国の総理の公式発言は,個人の意見ではない。考えられた国の方針を意味する。
外国語会話重視の教育方針は,その後の国の施策となることを明言したことになる。
(3) 「英語指導方法等改善の推進に関する懇談会」報告の概要
平成12年1月26日,中曽根文部大臣から「英語指導方法等改善の推進について」検討依頼を受け,懇談会が行われた。同12月12日の最終回において報告案がとりまとめられ,13日1月19日に座長から文部科学大臣に報告。
▼文部科学省が「検討を始めた」と公式発表するということは,教科再編は近い将来行われる見通しがあるということ。前述の発表から「小学校の英語科」設立の可能性は濃厚。
(4)小学校英語活動実践の手引き
文部省科学省発行
まえがきでの文部科学省初等中等教育局長 御手洗康氏は
「本書を活用していただき,子どもたちが楽しみながら自然に英語に親しんでいただけるように・・・・」と書いている。
▼英語活動を語るならば必読の書と言われるため,昨年度購入された先生も多い。内容はご存じの通り,英会話の授業作り,授業案等が言細かく掲載されている。これは何を意味するのか。
2社会科の内容
(1)小学校学習指導要領
P30(ア)
我が国とつながりが深い国から数か国を取り上げること。その際,それらの中から 児童が一カ国を選択して調べるように配慮し,様々な外国の文化を具体的に理解でき るようにするとともに,我が国や諸外国の文化や伝統を尊重しようとする態度を養う こと。
▼これは,社会の内容の記述である。
(2)小学校学習指導要領解説 社会編 P2
ア(ア)
小学校,中学校及び高等学校を通して,日本や世界の諸事情に関心を持って多面的 に考察し,公正に判断する能力や態度,我が国の国土や歴史に対する理解と愛情,国 際協力・国際協調の精神など,日本人としての自覚を持ち,国際社会の中での主体的 に生きる資質や能力を育成することを重視して内容の改善を図る。
▼これは社会科改訂の趣旨である。
ちなみに「国際交流」のいう文言は指導要領の中では,「社会科」の中でのみでてくる。
従来の社会科では取り入れられなかった,「外国の文化の理解・自国の文化の尊重」などに関する指導内容を社会科の中に組み入れることが,今回の改訂のポイントの一つである。
社会科の中で,また社会科の発展学習としてこのような内容を扱う,といっているのである。であるから「総合的な学習の中での国際理解」とは明確に分けている。
3 脳科学の見地
「幼児教育と脳」(澤口 俊之著)
言語の発達は8歳ごろまでがとても重要である。8歳ごろまでであれば外国語の回路(言語フレーム)が脳の中に形成される。外国語をその後に学んだ場合は,日本語の回路の上に外国語の回路が作られるため,習得が非常に難しい。
つまり,脳の中の様子はこのようであるという。
《8歳ごろまでに英語を学んだ場合》
| 日本語 フレーム |
8歳すぎて英語を学んだ場合
| 英語 フレーム |
| 日本語 フレーム |
▼小学校低学年までに英語を学ぶことの必要性を示唆する。
「 日本語をしっかり話せないうちに英語なんて・・・」「日本語と英語が混ざってしまうのでは・・」
という風評がまちがっていることが証明された。
4 その他参考になる事項
(1) 諸外国の情勢
・お隣の国韓国でも,10数年前から小学校英会話の授業を国を挙げて導入。
1年生から教科として学習をしている。
・中国でも同様。上海小学校での英会話授業はALL ENGLISh ALTはなし。
担任教師がすべて指導している。
(2)日本人の英語力
TOEFLの成績で日本はアジアで下から2番目。最低は北朝鮮。最近では最下位になっているとの情報もある。
世界中でも下から数えた方がはやい順位である。世界中には戦争中の国・教育を受けたくても受けられない国は多くある。それを入れた上での順位である。平和な国ではまず最下位であることは確実である。
▼目の前の子供たちは大人になったときに,このような世界の子供たちと同じ世界の舞台でいっしょに戦っていくことができるのか。わたしたちがいま,この子たちにしてあげられることはなにか。
(3) 社会情勢
多くの企業では,英検又はTOEFLの成績が入社資格となってきている。
英会話ができなければ,入社試験すら受けることができない。ペーパーではない会話力である。
有名企業その他では,現代でも部長クラスは会議をすべて英語で行っている。英語ができなくては昇進もできない。
5 参考 小学校における英会話授業
○小学校における英会話は音声中心で原則として文字はいれない。
当然文法なども教えない。
○年齢が小さい方が習得が速いので,学年別のカリキュラムは作らないことが言語学的にはただしい。すでに全国でたくさんの年計が作られている。
(同じ授業でも6年生の方が,1年生より3倍〜5倍習得に時間がかかる。)
具体的には6学年共通のカリキュラム。以下のように6年で学校としてのカリキュラムは完成する。(2年目は,新1年生のみ前年度のカリキュラムで指導する。このように1年ごとに学年での指導内容に違いがでてくる)
○ちなみに今年採用のテキストは幼児用レベルである。
次のレベルのテキストはある。
○授業は,歌・ゲームなどを中心とした活動中心のもの。大切なのはネイティブの発音をシャワーのように浴びること。専門家によると週に1時間45分よりも,毎日15分〜20分の英語タイムが一番効果的だということ。間があくと効果は半減する。
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